Grasp プラグイン解説

GraspプラグインはgraspPlugin for Choreonoidの中で最も基礎となるプラグインです。本プラグインが提供する機能は多指ハンドに対する把持計画と、他のプラグインが共通に利用する関数です。

基本情報

  • プラグイン名: Grasp
  • 依存プラグイン:無
  • 動作を確認したロボットモデル:PA10, SmartPAL5, RH1, HRP-3, HRP-2 JRL

プランナーバー

「=Planner=」というタイトルを持つプランナーバーを使って、把持計画を作成します。
PlannerBar.png
詳細は プランナーバーヘルプ をご参照ください。

チュートリアル

動作計画について

Grasp プラグインは、把持や設置のために適切なグリッパの位置を求めるもので、アーム全体をどのように動かすかについては考慮されていません。周囲の環境に干渉しないアームの動作計画を行うには、PRM プラグインを用います。PRM プラグイン解説をご覧ください。

把持計画アルゴリズム

本プラグインでは様々な種類のロボットに対応できるように、ハンドの把持領域と対象物の両方にバウンディングボックスモデルを仮定した把持計画手法を採用しています。本手法を用いることで、例えば多指ハンドであれば3指の指先把持、4指の指先把持、あるいは包み込み把持など様々な把持形態を実現することができます。
ここで、ハンドの把持領域のバウンディングボックスをGrasping Rectangular Convex (GRC)、対象物のバウンディングボックスをObect Convex Polygon (OCP)と呼び、これらの幾何学的関係により大まかな手首の位置姿勢を求め、その上でランダムサンプリングにより最終的な把持姿勢を求めます。
また、把持計画を高速化するために、摩擦円錐の楕円近似を用いたForce Closureの判定手法を用いています。ただし、Force Closure判定の従来手法もプラグインの関数として用意しています。アルゴリズムの詳細については下記リファレンスを参照してください.

References

[1]Kensuke Harada, Kenji Kaneko, and Fumio Kanehiro, Fast Grasp Planning for Hand/Arm Systems Based on Convex Model, 2008 IEEE International Conference on Robotics and Automation, pp. 1162-1168, 2008.
[2]T. Tsuji, K. Harada, and K. Kaneko, Easy and Fast Evaluation of Grasp Stability by using Ellipsoidal Approximation of Friction Cone, Proc. of 2009 IEEE/RSJ Int. Conf. on Intelligent Robots and Systems,pp.1830-1837、2009.
[3]原田、辻、金子、金広、丸山,直方体モデルに基づく多指ハンドの把握計画,日本機械学会論文集C編,76-762,pp.331-339, 2010
[4]T. Tsuji, K. Harada, K. Kaneko, F. Kanehiro, and K. Maruyama, Grasp Planning for a Multifingered Hand with a Humanoid Robot, Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.22 No.2, pp. 230-238, 2010.